2011年12月25日日曜日

「浅草紅団」をたずねて

今回は、川端康成の「浅草紅団」を読んでみました。これは昭和初期の作品で、私が最近読んでいた明治作品に比べると文語体が解消されてずいぶんと読みやすくなりました。
ただ...、そう、ただ、この作品、私にはさっぱり解りませんでした。というのもこの作品、小説でありながら物語ではないんです。いや、物語であるのかもしれないけど、物語に思えないんです。
というのも、この小説、登場人物やエピソードがあまりにも多く出てきて、短編集かと思えば、そうでもなく、主人公かと思えばそうでもなく、そしてたまに川端本人が登場してきたりするなど、ストーリーが一貫してなく、なんとも掴みどころのない作品なんです。
ノーベル文学賞の川端先生ごめんなさい!凡人の私にとっては、本作品においておそらく先生が描いたであろう既成概念にとらわれない新たな枠組みの作品像のようなもの、とても理解するに及びませんでした。

さて、今回私が訪れた場所は、隅田川に架かる清洲橋と言問(こととい)橋です。ここは、小説の中の『隅田川の新しい六大橋のうちで、清洲橋が曲線の美しさとすれば、言問橋は直線の美しさなのだ。清洲は女だ。言問は男だ。』という節が印象的で、行ってみることにしました。
行ってみるとまさに清洲橋は吊り部分の曲線がとても美しく、今日の青空にとても映えていました。ちなみにこの清洲橋、平成19年には国の重要文化財に指定されたそうです。
一方、言問橋は清洲橋とは対照的に余りにもすっきりとしたデザインですが、ただ、すぐそばに建設中のこれまた直線的なイメージのスカイツリーと絶妙にマッチしているんです。このマッチ具合、まるでスカイツリーがこの地にできるのを80年以上も前から予見していたような気さえします。

今日の総行程は、行きはタマサイ、帰りはアラサイ経由(初アラサイ超感動)で距離92.3km、総上昇384m、移動平均速度20.8km/h、最高速度39.5km/h、移動時間4h26m(recorded by garmin)。

曲線が美しい清洲橋
清洲橋

東京スカイツリーとベストマッチの言問橋
言問橋

ついでに寄った雷門。現在(いま)の世も凄い人です。
人ごみ雷門

2011年12月24日土曜日

聖夜を家族とともに

今日はクリスマスイブ。単身赴任明けの私にとっては久しぶりに家族と過ごすクリスマスとなりました。世に単身赴任の皆様がいる中、デリカシーのない発言かもしれないが、正直、とても嬉しいです。この現実を当たり前と感じず、そして感謝の気持ちを持って家族と楽しいひと時を過ごしたいと思っています。
こんなことを思ってしまうのも、やはり単身赴任生活の経験があってこそだと思います。まさに人生楽ありゃ苦もあるですね。そうそう、去年の同時期のブログを紐解いてみると、こんな寂しい投稿が残っていました。

2012年も皆さんにとりまして良い年でありますように。メリークリスマス!

昨日、数年ぶりに家族で東京タワーのイルミを見に行きました。
幻想的な東京タワーツリーとタワー

2011年12月11日日曜日

「たけくらべ」を訪ねて

東京都にちなんだ小説。今回は、樋口一葉の「たけくらべ」です。
この物語、読み始め時は正直参りました。というのも、このたけくらべが発表されたのは明治中期で、前回読んだ「吾猫」よりもさらに古い作品なんです。だから(なのか、あるいは一葉女史が伝統的な書き方を好んでいたのかどうかは分からないが)、文語体がきつくて、なかなかストーリーが頭の中に入ってこなくて、正直、読み始めてすぐに「やっぱり読むのやめようかな」と思ったくらいです。
ただこの作品、短編だったことと、私が読んだ本がかなり詳しい解説付きだったので、この解説のおかげで何とかストーリーをつかむことができました。

物語はというと、当時の吉原遊郭界隈に住む子供たちの淡いラブストーリーなんです。遊女になることが約束されている主人公の美登利と、美登利が思いを寄せる龍華寺の息子、信奴(のぶゆき)、そしてその周りにいる横町の長吉らや表町の正太郎たち。まだまだ子供でいたいけど、年の頃15~16才になった彼らは、それぞれの大人の階段を登っていかなければならない時期が来ているのです。下町の江戸っ子気質な表面と裏腹に、そんな微妙な時期にある子供たちの儚くも切ない物語でした。

さて、今回私が訪れた場所は、物語の舞台となった吉原界隈。今は台東区の千束という町名になっているけど、不思議なことに江戸時代からあった吉原遊郭は今の世においてもやはり似たような街になっていました。そう、怪しい大人の街です。お昼ころに辺りに到着したんだけど、何だか怖そうなお兄さんたちがうようよいました。あの方たちは何者なんでしょう?まあ、あまり深く詮索することはよして私はひたすら明治の世の一葉女史を思い続けて近辺を徘徊しました(汗っ)。

今日の総行程は、タマサイ経由で距離75.4km、総上昇353m、移動平均速度18.1km/h(結構歩いたので、こんなものかな?)、最高速度47.6km/h、移動時間4h09m(recorded by garmin)。

ドラマ「仁」にも良く出てきましたが吉原大門の今の姿です。
平成の吉原大門
一葉の旧居跡だそうです。普通のお宅の前にありました。
一葉旧居跡
信如の家、龍華寺のモデルになったといわれている大音寺。
何だか寂しげで、イメージと違う...。
龍華寺のモデル


一葉記念館とその前に佇むたけくらべ記念碑。人がいない...。
一葉記念館
一葉女史たけくらべ記念碑

2011年12月4日日曜日

ご近所の紅葉

今週も自転車パスしちゃいました。最近、なんだかんだと理由をつけては自転車に乗る回数が減ってきたような気がします。自転車への情熱が冷めたわけでもないのになぜだろうか。
今週末は、土曜日は天気が悪かったし、日曜日はかみさんと午後お出かけの予定があったので、午前中にいつものコースを2時間ほどランニングしただけです。う~ん、やっぱり単身生活とは違うってことかな。

ということで、今日の投稿はランニングコースで見かけたご近所の紅葉をテーマにしました。私が走っているコースはいくつかあって、今日はその中でもメインにしているコース。ここは遊歩道あり、自然公園ありのコースで、都内の紅葉情報を事前に調べたところちょうど見ごろのようだったので、迷わずこのコースにしました。
行ってみると、天気が良かったこともあり様々な種類の紅葉が色鮮やかに公園内を彩っていました。私だけではなくたくさんの人がその光景に見とれているようで、私のようにランニング途中で足を止める人やモミジの下で語らう夫婦、そしてカメラおやじたち。みんなこの季節を待っていたかのように目をキラキラさせています。もちろん私も今日に限っては、携帯電話片手に走ってはパシャリ、そして走ってはまたパシャリです。

今日はホントいつも以上に気持ちの良いランニングになりました。今さらながら季節を感じるって気持ちの良いことですね。

モミジが太陽の光に照らされて輝いて見えます。
紅葉キラキラ

この公園の象徴でもありますが、この木はなんでしょう?
この木なんの木?

私もこんな場所でかみさんと語らいあえるかな?
紅葉の下で

2011年12月2日金曜日

ギンブラ in Christmas

クリスマスにはまだ早いけど、銀座はすでにクリスマス模様一色でした。
今日は珍しく銀座に用事があったので久しぶりに行ってみると、ついこの間まで節電を叫ばれていたにもかかわらず、この街では一流ブランドのショップたちが競うようにイルミネーションやクリスマスツリーなどで着飾っていました。

あのときの闇夜はいつのことだったんだろうと、ふと思いにふけってしまいました。「喉元過ぎれば...」なのか?まあ、「日本は少しずつ元気になってきたんだ」と思うことにしようか。うん、そうしよう。

それにしても銀座はすごいですね。私には別世界って感じだけど、この辺を歩いている人たちってどんな人たちなんだろうか。たまにこんなところを歩くと街や人に感覚が刺激されますね。思わず人目はばからずあちこちパシャリしてしまいました。おのぼりさんに見られたかな?

見よこの立派なツリーを!さすがミキモトさん!
クリスマスツリー

この日の夜も銀座の町は人でごった返していました。
銀座4丁目付近

お店にリボンがっ...スゴイですね。
銀座カルティエ